蔵出しレビュー。
時は、2001年3月8日
【以心伝心】
ま、勝手に知られちゃうんですけどね
邦題「サトラレ TRIBUTE TO A SAD GENIUS」
原題「サトラレ TRIBUTE TO A SAD GENIUS」
3/8 試写会で鑑賞。3/17からメルパ系で一般公開予定。
評者 ほーく
評価 3
ひとこと 実にオールマイティな映画だね。
<コメント>
本広克行監督を見直したよ。「スペーストラベラーズ」でがっくりしたからねー。「踊る大捜査線 the movie」も所詮テレビドラマの2時間ものだったし・・・。
ところが、この映画、実にいろんな人が楽しめるように作ってある。
サトラレの保護法をベースにした設定や世界観はSF好きにはもってこいだ。もちろん、つっこみどころ満載というおまけつきだけど。
中盤までは完全なシチュエーション・コメディ。これはベタなネタが連続するんだけど、予測させてそのとおりオトすってのは間が重要なわけで、そこんところが上手い。このへんは、「踊る大捜査線」で培われたものだろう。
後半は一転して、人間ドラマだ。序盤で笑いを生んだその設定の裏によどむ、サトラレたちの悲劇を浮き彫りにする。このへんは社会派向きか、心理学好きにはいいカモに違いない。
トドメは愛情。泣かせに入るよー。キャスト陣も喜怒哀楽の強弱をうまくつかいこなして、その動きに説得力を持たせる。安藤くんの演技は意外とまあまあ。鈴木京香がちょっとわざとらしすぎるかな。
その他、医学系のネタもあるし(たぶん、つっこみどころ満載なんだろう)、ファッションをTAKEO KIKUCHIが担当してるし(安藤が着るとかっこいい)、四季を彩る岐阜県郡上町の情景はきれいだし(もっとそれを長く撮って欲しかったが)、ほんと万人向けだ。こういうのを映画館で観るといいんじゃないかな?
もちろん、万人向けどまりだから4以上にはならないんだけどね。
ま、次回作には期待してもいいかもだ。