蝶番のイカれた教室の扉。
鉄製で一生壊れないという鉄の扉。
隣町のお爺ちゃんが建てつけたという美しくしっかりとした窓や扉。
突風に全開した扉の向こうで母親が何事も無き如く洗濯物を取り込む。
やんごとなき事情により遅い時間に宿題を始めることになった幼き少年は不安げにそちらを見やる。
過剰なコンプライアンスと当たり前に非道な政治や歪んだ社会常識が我が物顔で跋扈する現代にこそ示唆するものが大いに響く。
子供に寄り添い、子供の声に耳を傾けられる。
そんな当たり前の事を大人が実行出来るや否や。
昔話にしか価値を見出さない老人。
いつまでも洗濯が終わらない母親。
ラジオのチューニングが一向に合わせられない父親。
そして教室。
教育とはなんぞや。
生活音溢れる音像、起伏に富む構図、明暗色とりどりの映像、そしてエンディングまで目が離せない幼き少年にとってのサスペンスフルなミッション。
映画に必要な全てに充ちている。
お爺ちゃんのさり気ない優しさと粋がラストカットに映える見事さよ。
ジグザグ三部作の残りも楽しみだが、スクリーンで観る機会を得たい。
〜〜
今日の一曲。
The Smiths - The Headmaster Ritual(校長の儀式)
https://m.youtube.com/watch?v=f37lC0CSXlQ
そしてレディオヘッドのベストアクトを
https://m.youtube.com/watch?v=LtmS2ePSSdU
