二瓶ちゃん

潮騒の二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

潮騒(1975年製作の映画)
3.8
少し前に原作を読んだので鑑賞。

東芝EMI、東宝。

原作がどんなんだったかなんて読んだのは1年以上前だから忘れているのだが、もっと淡々としながらも重さがある感じだと思ったが、今作はシネコン向けアイドル映画にうまいこと変換されているなぁと思った。

三浦友和も山口百恵も美。美サイレント。

三浦友和は脱ぐからマァ当たり前なんだけど、筋肉モリモリの肉体を披露するし、山口百恵はマジ美と可愛いを兼ね備えているし歌声もセリフもマジで百恵ちゃん。

でも初めのシーンのうちは特になんか山口百恵がセリフを言わされている感じがあってなぁ、なんか悪い意味でもアイドル映画始まったぞと思った。

もう描写が露骨過ぎて、わかりやす過ぎて、一周回ってギャグだろ、とか思ってしまった。

家父長制、閉鎖的、監視されるという意味では残酷な島の環境、自然の厳しさ、いろいろ思い巡らせるところはあるが、結局はプラトニックラブだったなぁと思ってしまう。

文学的要素を忘れずに、ナレーションもトッピングしてあった。

でも原作の良さというよりは、役者の良さを大事にしているシネコン向き映画のようで、肝心の海のシーンも派手に音楽を盛って、扇状的に観客を映画の世界に誘う。

ちちくり合うって性表現として不思議な言葉だな。

あと乳比べなんて実際にあるのか?

まぁ三浦友和も山口百恵も存在がアイドルなんだけど、対照的に、三浦友和演じるシンジの母役の方の演技がすこぶる良かった。

「見たらあかん」って言われても見るのね。

サクッと見るには良いけど、シーンのぶつ切りとか繊細さがもう少しあれば良い映画かとは思った。

まぁアイドル映画ではあるけど、しっかりと一つの物語として面白いと感じられたのでこの評価。