らんらん

どたんばのらんらんのレビュー・感想・評価

どたんば(1957年製作の映画)
4.5
東映、モノクロ、群像劇
出演者
江原真二郎、中村雅子、波島進
岡田英次、加藤嘉、東野英治郎、志村喬
高木二朗、神田隆、外野村晋、山本麟一、風見章子、滝花久子、飯田蝶子、花沢徳衛、杉狂児、沢彰謙、関山耕司など

【内容】
とある炭鉱(中部地方?)で事故が発生し作業員5人が生き埋めになる、救出作業は困難を極め4日を経過しても救出の見通しが立たない

生き埋めにされた者たちの生死もわからず、埒のあかない作業、それが4日続いたこともあり絶望感が漂っていたのだが、、、

※炭鉱事故
大雨による洪水で大量の水と土砂が坑内に流れ込み埋まってしまう
さらには前日から炭鉱内で湧き出る地下水の量が増えていたのもあり、いくらポンプで水を吸い上げても水位が下がらない状態

※生き埋めになった5人
当日から働きに来た新人の青年江原真二郎
ベテラン鉱夫の志村喬、過去に2度生き埋め経験のある強者
モブ3人のおっさん、野田、日垣、油井

その家族たち
風見章子、飯田蝶子、花沢徳衛ら

※地上であたふたする人たち
事故炭鉱の責任者(加藤嘉)、事故炭鉱の鉱夫長(外野村晋)
救助のリーダー格(東野英治郎)、朝鮮労務者(山本麟一、岡田英次)、事件炭鉱の元鉱夫(波島進)
紅一点のヒロインでクレーン作業員(中村雅子)

ネタバレ
加藤嘉は家族たちに厳しく責められ憔悴、鉱夫長は責任の重さから首吊り自殺(未遂)、救助作業者たちも諦めムード
そんな空気を変えたのが波島進、ニュースで事故を知り駆けつけてきた熱い男
さらには念仏坊主や朝鮮労務者(岡田英次)などもみんなを盛り上げみんな気力を取り戻す

救助作業は波島進の提案する方法が採られる
それは終戦のゴタゴタで埋めたという知られざる坑道があり、ダイナマイトを使用してその境を破壊、そこに水を流し込み水位を下げ土砂を取り除く作戦である

みんなの命懸けの救助作業が実を結び、生き埋めになった5人を発見、奇跡の全員生還となったのでした

【感想】
ラスト30分からがやばかった
波島進の登場から怒涛のように刺さるシーンの連続で、ほんとに全米が泣いたってくらいやばかった

お坊さんの「わしは絶対にやめん!」も良かったし
岡田英次の説く仲間同士の助け合い、自分がその立場だったら、の話も響いたし
その他のモブの救助作業員たちも命懸けで泥まみれ水浸しで一丸となった姿に感動した

終わりが素晴らしかったので高評価しちゃうんだけど、あえて気になることを挙げるなら
中盤がちょっと退屈、後から思えばラストですっきりするための前振りではあるんだけど
加藤嘉が集団リンチみたいな形で責められるシーンや鉱夫長が憔悴しきって自殺未遂まで起こしちゃうシーン、このあたりは見ていて辛かった

・出演者メモ
誰が主演ってこともない群像劇
生き埋めになった側の描写は少なく、外側の人たちの描写が中心
特に良かったのは加藤嘉、岡田英次、波島進あたりか
紅一点の中村雅子も悪くないけど、さすがに無名過ぎてすぐ忘れると思う

・まとめ
全体的に地味な出演者なのでこの人が見たいとかで見る映画ではないけどみんな好演していた

ちなみに
この映画は前年の1956年にNHKのテレビドラマでやったものをリメイクしたものなんだとか
そして
意外にも映像が現存しているらしく見ようと思えば見れるみたい
調べたところ
出演者が三國連太郎、加東大介、西村晃、津島恵子etc、、、めちゃくちゃ見たいんだけどー
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