おなべ

サマーウォーズのおなべのレビュー・感想・評価

サマーウォーズ(2009年製作の映画)
4.1
※この作品を見る際には、必ず夏に観るように!軽く10倍は面白くなるゾ⭐︎

アバターを通して世界中の人々が集い、コミュニティやショッピングといった、様々なサービスを利用できる仮想世界(OZ)が存在。
主人公は数学が得意だけど、パッとしない普通の男子高校生。ある日、憧れの先輩の夏希から一緒に夏希の実家に行く、という「バイト」に誘われる。実家では26人の親族が集まり90歳の祖母のお祝いイベントが催される。なんやかんやで、主人公のケンジはひょんなことからOZをも巻き込む大混乱に見舞われる事に。

とにかく凄いのがOZという仮想世界の設定がリアルに施してあること。全ての事柄をOZに頼ってしまっている事を逆手に取り、ウイルス感染させ大混乱を引き起こす、まさに設定を活かしたシナリオ。この映画を通して、現実世界においてもコンピュータやAIの危険さを示唆している風刺になっている。

次にグッドポイントとして挙げられるのがBGM。どんなイカつい人でもこれを聴くと、高揚してしまうに違いない。THE・夏!って感じで、自然と夏の景色や空や海といった、夏の感覚が呼び起こされる。このBGMがこの作品をより良いものにしたと言っても過言ではない。

さらにグレイトポイントとしては、一人ひとりの個性。全員が全員まったく違った性格で、事細かに作っているので、それぞれのキャラクターが面白かった。特に個性の強いお婆ちゃんは、それらの人達をまとめるすご腕婆ちゃんで、尚且つ、混乱時には皆んなを励まし、侘助に対しなぎなたを振り回すというアクティブな婆ちゃんだった。








【以下ネタバレ含む】











個人的に1番好きだったシーンは、唯一抵抗しようとするケンジがラブマシーンに妨害され打ちひしがれかけた時に、警察官の陣内翔太がケンジに「諦めんなッ!」と言って背中を叩くシーン。このシーンは思わず鳥肌。

唯一心残りがあるとしたら、侘助と婆ちゃんが仲直りできないまま婆ちゃん亡くなってしまった事。でもきっと婆ちゃんの事だから、全て分かってたんだろうなぁ。
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