ドイツ占領下のパリ。
フランス軍レジスタンスのフォンティーヌ中尉は刑務所に投獄される。
毎日淡々と脱獄の準備が詳細に描写され、最後まで緊迫感が張り詰めている秀作。
なんといっても派手な演出がゼロ。
音楽もほぼ無く、周りの物音に聞き耳をたてる主人公と同じ状態。
部屋にあるもので工夫を重ねて脱獄に必要な道具を作る。囚人仲間たちからは情報を。
収容所の全貌は分からず、映される視野も狭く、時折聞こえてくる銃声やルーティンの音だけで色々なことを悟る。
死刑を宣告され、独房に戻ったときの
「私は神経質に笑った」
少年兵が独房にやってきた際の
「彼を殺すべきだろうか」
クライマックスは、尋常ではない緊張に包まれます。