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ランボー/怒りの脱出の教授のレビュー・感想・評価

ランボー/怒りの脱出(1985年製作の映画)
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脚本にジェイムズ・キャメロンとシルベスター・スタローン。
オープニングのクレジットでいきなり頭を撃ち抜かれる。

そして刑務所の重労働から、昔の007みたいな基地に連れて行かれあれよあれよと、ミッション開始。
トラウトマン大佐が、ランボーを「最強の戦闘マシーン」と売り込むが、いきなりヘリからの降下で手間取る。先が思いやられて思わず爆笑する。

何事もなかったように後藤久美子みたいなエージェントと合流。移動中の船の中で「オレなんて、"エクスペンダブル(消耗品)"だ」と現代のスタローンを知る上で非常に深いセリフにテンションが上がる。

ベトナム奥地っぽいロケ地。
それっぽい要塞。
80年代のアメリカ戦争映画の感じに懐かしさと新鮮さを感じる。

当時、映画を観るってこういう作品を観ることだったよなぁとか、金曜ロードショーで毎年のようにやってて、今はジブリばかりで悲しいとか感慨だらけ。
ストーリーがまるで入ってこない。
とはいえ、なんだかんだと、大スターとしてこの当時のスタローンはど真ん中のところにいたのだなぁと痛感する。

内容はシリアスなのかバカなのか、よくわからない。アクションやドラマ的なツッコミどころは無数。
鉄条網をあんな風に持ち上げてしまったらそもそも鉄条網じゃないじゃないか?と思ったり。折り込み済みの大味感。
もちろん、超絶シリアスにやっているからこそ、爆笑度も上がってしまうから楽しいと言えば楽しい。

しかし、なまじシリアスな話、テーマを盛り込んだり、一方でロマンスなんかもあったりしてツッコミを超えたつまんなさを感じてしまうのも否めない。
例えば敵の存在がそもそもよくわからないのと、兵力がまったくわからない。助けないといけない捕虜だけで2000人とか言ってたし、どの程度の人数や誰を倒せばいいのかがちっともわからない。ダイジェスト的に助けて後はお前がやらないと殺すぞ、みたいな展開も…うーん…。

アメリカ軍のやり方もやり方でランボー孤立無援すぎ、あと、相変わらずトラウトマン大佐はグレー過ぎる、と気になるシーンのループ。
ラストの戦いも雨だったのが快晴になり…天候が変わりやすい土地柄なのだとしても、そこに物語上の意味があるのかないのか不鮮明過ぎたりする。
まさかの最後は「寝たふり」だなんて!

各登場人物が魅力的な「ロッキー」シリーズに比べて、スタローン以外に特に目立ったキャラクターがいないのと、前作同様ラストになっていきなりの演説的にセリフで全部説明しちゃうのが取ってつけたようで、ドラマ的なカタルシスが弱いと思う。
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