JunichiOoya

花子のJunichiOoyaのレビュー・感想・評価

花子(2001年製作の映画)
5.0
サンクスシアターで一等楽しみにしていた映画。

監督 佐藤真
撮影 大津幸四郎
録音 弦巻裕
編集 秦岳志
主題歌 「ひとりの女性に」
   藤井裕、忌野清志郎

今村花子、桃子、知左&泰信 一家の日常を、カメラのこちら側の作家としての佐藤真ではなく、一家の一員としての佐藤真(いや大津幸四郎ももちろん一員だ!)が一緒になって楽しむ。

当然、この楽しく可笑しいことこの上無い日常に至るまでの怒涛の歴史をも踏まえながら。

四人の中で唯一カメラのこちら側にいる桃子。乙訓ひまわり園でおだやかな笑顔を得た花子を愛おしく見守りながらも、かつての厳しく排斥された日常を片時も忘れられないでいる桃子。

その桃子を含め、家族「6人」(+「親戚」の弦巻さん、秦さんもいますが)の緩やかで強い繋がりに誰もが感動する。

チェロやピアノ、三味線が家族の日常生活に普通に溶け込む家、花子の「作品」を記録した大量のピンボケ写真がアートとして日常的に成立してしまう家。
この映画の主役はその「家」そのものなのだろうな。

まことに持ってサンクスシアターにラインナップされるにふさわしい傑作ドキュメンタリー。
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