竜平

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの竜平のレビュー・感想・評価

4.5
大学で清掃員のアルバイトをする不良青年がじつは天才的な頭脳の持ち主だった。過去のトラウマに縛られる彼の苦悩や、同じく心に傷を負った者との交流を描くヒューマンドラマ。

友達、はたまた恋人、本当に心を許せる人って、分かり合える相手って誰だろうか、そんな問いを投げかけてくる映画。今作の設定において重要なのは主人公ウィル・ハンティングが自分自身の持つ非凡な才能にちゃんと気づいているというところ。生い立ちもあってか素行が悪く喧嘩っ早い、そんな彼の心を覆う分厚い殻、その中にある深い傷。どんなに頭脳明晰であろうとも、彼自身にとっては何の意味もないことだったりする。そんな中で出会うロビン・ウィリアムズ演じるカウンセラーのショーン。次第に「魂」で向き合っていくことになるこの二人の関係性、ドラマにとにかくグッとくる。「人は決して孤独ではない」というような前向きなメッセージも込められてる気がする、のは考えすぎかな。いやしかし自分の弱さを晒け出せること、また相手の弱さを受け止められることの素晴らしさ、晒け出した先にわかってくれる、共鳴してくれる人が必ずいるという出会いの尊さを教えてくれるはず。

若きマット・デイモンの初々しい姿がとてもいい。しれっとベン&ケイシー・アフレック兄弟も共演してたり。副題にもある「旅立ち」の言葉が似合うような、その後をこちらに想像させるようなラストもいい感じ。何か大切なことを忘れてしまったと感じたときに見たくなる、そんな名作。
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