現実逃避帰国準備

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ちの現実逃避帰国準備のレビュー・感想・評価

4.5
昔2回程観てるけど、また観たいと思ってた。ロビン・ウィリアムズがいなくなった後に観た今回は、前回観た時とは違った感傷的な気分になった。

『Mork & Mindy』(1978 - 1982)(TV-G)のDVDを旦那が持っていて、子供達が小学生位の時よく見せていたので、ロビン・ウィリアムズと言ったら、「ナヌナヌ♪」のイメージ。あのTVショーでのパフォーマンスを見て、ロビン・ウィリアムズは頭の回転早いなぁと感心した。

マット・デイモンも頭がいいなあと思ったのが、つい先日、YouTubeにアップした『Contagion』の出演者達のCovid-19感染拡大防止メッセージで、マット・デイモンの的確な説明の仕方で、頭いいんだなあと思った。

『Good Will Hunting』は、マット・デイモンがハーバード在学中に執筆した脚本らしく、本人の実体験も入ってるそう。ベン・アフレックとも幼馴染の親友で、演技じゃなく、とても自然な関係に見えた。

ロビン・ウィリアムズとマット・デイモンの二人の迫真の演技が凄くて、鑑賞3回目でも涙が出た。

スポイラーアラート↓




物凄く辛抱強い心理学者ショーンと、相手の弱点を見つけそこを攻撃する天才ウィルの知識合戦、そしてだんまり合戦。

ウィルがこんな本なんか読むより「Haward Zinn's A People's History of the United States」を読んだ方がよっぽどいいと言うと、ショーンが「チョムスキーのManufacturing Consentよりいいのか?」と聞く。昨日に引き続きまたチョムスキー。

ショーンの弱点に気づき、ショーンの妻を侮辱して攻撃するウィル。

公園で人生を語るショーンのシーンにジーンときたw

これも昨日レビューした『Captain Fantastic』の様に、「本からの知識だけでは、井の中の蛙大海を知らず」で、アートや愛、戦争等の知識はあっても、Sistine Chapelの匂い、人を自分自身より愛する事、戦友が自分の腕の中で死んでいく事など、何も経験してないウィルは何も知らないのと同じ。

同じ様に、「Oliver Twist」を読んだからって孤児のウィルの事を知れない。ウィルが話さなければ、ショーンはウィルの事は何も分からない。

ハーバード卒業後、スタンフォードメディカルスクールへ行くスカイラーの学費は$250,000。20年経った今なら$350,000位かなあ。プラス生活費。ウィルや『Captain Fantastic』のBoの様な天才だったら、学費免除だろうけど、スカイラーの様な”並み”の秀才は一部奨学金か全額自腹。

スカイラーの和田アキ子を連想する低音の笑い声に引くけど、時々すごく美しく見える。

飛行機のジョークやおならストーリーで段々打ち解けていき、やっぱり笑いは人生で一番大事だと思った。

おならストーリーは、台本に無かったらしい。だからマット・デイモンのあのリアクションは演技じゃなくて本当に笑っていて、ナチュラルに、リアルに見えるのかな。ロビン・ウィリアムズ天才。

ショーンの言葉「We get to choose who let into our weird little worlds. You are not perfect. she is not perfect either. The question is whether or not you're perfect for each other. Give it a shot is only way to find that one.」に激しく共感。

数学教授にこんな簡単な問題も解けないのかと精神的攻撃をしたり、 NSAの倫理観を皮肉で酷評したり、攻撃する事で自分を守っていたウィルが、懐の深いショーンのお陰で、鎧(Defense mechanism)を脱ぎ、スカイラーの元へと大陸横断する。あのボロ車で横断できるのか?

虐待が脳に影響・ダメージがあるのは明らかだけど、皮肉にも虐待と特殊能力の関係はきっとあるんだろうなと思う。調べてみようとは思わないけど。この映画も『Rocketman』と同じ様に、『Fantastic Beast~』の、クリーデンス・ベアボーンを思い出す。

Hulu.com