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サスペリアのtackyのレビュー・感想・評価

サスペリア(1977年製作の映画)
4.0
三原色を際立たせた色彩、特に赤を強調した画面。
無機質な幾何学模様の下宿や廊下。
神経を逆撫でするゴブリンの音楽。
常識では考えられない血塗れの殺害方法。

どれを取っても、素晴らしい。

冒頭の、空港から出たヒロインが、夜の嵐に遭遇するところから、これから起こる事の不安を表すのに始まって、
ラスト、また夜の土砂降りの中、ヒロインが安堵の表情を見せ、すべてが終焉を迎えた事を表して終わる。

今回再見して、気づいた事2つ。
一つは、凄い女優を意外な役で使う事。Part2では、「昼顔」のマーシャ・メリルを血祭りにあげたが、今回は「第三の男」やヒッチの「バラダイン」のアリダ・ヴァリに強面のタナー先生を演じさせた事。(後の作品「フェノミナ」の怪物ブルックナー先生への布石である。この役をちなみに演じたのは、サスペリアの脚本を書いた、ダリア・ニコロデイである。)

もつ一つは、ポスターが主人公のデカ目カルト女優、ジェシカ・ハーパーじゃ無くて、血塗れになるステファニア・カッシーニであった事。

この作品が、当時付き合っていた、ダリア・ニコロデイの魔女信仰が影響していたとはいえ、この後のアルジェントの制作方針を変えてしまった事が、とても不思議な作品である。
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