イチロヲ

影なき男の影のイチロヲのレビュー・感想・評価

影なき男の影(1941年製作の映画)
3.5
頭脳明晰な夫婦探偵が、債券を盗まれた老学者の娘から、秘書殺害の真相究明を依頼される。夫婦探偵(とペットの犬)をフィーチャーしている、喜劇調のミステリー映画第1弾。ダシール・ハメット原作。愛犬を演じるのは、伝説の天才俳優犬スキッピー。

主人公の紳士は、富裕層の妻との結婚を機に探偵業を引退しているのだが、新規の顧客が接近してくるため、あれよあれよと元の位置に引き戻される。本当はやる気がないけれど、職人脳が働いてしまうため、夫婦漫才しながら仕事を進めていくことになる。

痴呆レベルの物忘れ症をもつ老学者が、債券を盗んだ秘書を猛烈に攻撃。そして、そこから始まる連続殺人。庶民は出張先で姿をくらました老学者に容疑を向けるのだが、主人公は別人にターゲットをしぼる。

パズルのピースを収集して、最後に答え合わせする、ミステリーの古典的作品。富裕層の財力を利用して追い込みをかけるところが痛快であり、鑑賞後は清々しい気分でいっぱいになる。ワンちゃんの名脇役ぶりも必見。
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