イチロヲ

金星人地球を征服のイチロヲのレビュー・感想・評価

金星人地球を征服(1956年製作の映画)
3.5
地球人類の将来を憂えている科学者が、金星人の侵略行為に加担してしまう。地球外侵略者との対立を描いている、SFサスペンス・ホラー。

後にマカロニ・ウエスタン界の大スターへと変身を遂げるリー・ヴァン・クリーフが、金星人と交信する科学者役を熱演。絶滅の危機に瀕している金星人を擁護するのだが、家族と友人を最悪の事態へと追い込んでしまい、ナンタラカンタラの流れ。

巨大なアイスクリームコーン型の金星人が、コウモリ型の飛翔体を射出。このコウモリに襲われた人間は、たちまち金星人の傀儡にされてしまう。極めてミニマムなB級ホラーだが、地球上の電力が停止したときの恐怖感が、しっかりと伝わってくる。

良かれと思ってやったことが、悪い方へと転がっていく、やるせなさ満点の物語。「正義のための暴力」を振りかざしていく友人博士の奇行もまた見応えがあり、作品のメッセージ性を教示してくれる"まとめ的セリフ"も、ばっちり決まっている。
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