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コマンダンテのkieのレビュー・感想・評価

コマンダンテ(2003年製作の映画)
4.3
キューバのカストロにオリバーストーンが30時間にも及ぶインタビューを。キューバ側から一切検閲がなく、だが、しかし、アメリカでは上映が禁止された作品。そりゃそうだよな。

この作品は一回見るだけでももちろん刺激的。けど、歴史をちょいと紐解き、また二度目観るのがいいかも。詳細な説明は一切ないからね。

ケネディーの暗殺やチェゲバラについて、キューバ危機についてなど、あらゆることを取り上げていた。

その中から一つ。いかにもアメリカ人らしいオリバーストーンの質問。

「指導者として、日々プレッシャーや重圧にかられていると思うが、そういうことを相談できるpsychiatrist(カウンセラー)はいるのか?」

・・・。愚問。でも、アメリカ人はpsychiatristに相談するのが常だから、そういうこと聞けちゃうんだよね。カストロもなんでそんな質問しているのかわからないと言っていた。そりゃそうだ・・・。

ベールに隠れて今までカストロの人物像って伝えらてこなかったから、少し垣間見られたことはとっても興味深かった。キューバとはいえ、今では、医療費が無料だったり、外国人の学生は授業料免除だったり、国としてはおもしろい。独裁者なんて言われながらどうして、こういうことができるのか不思議だった。今回の映像をみて、カストロの人となりをみて、これだけ長い間権力を握ってこられたこと、納得できた。それでいて、あったまいいし、ストイックだし、視野が広い。この映像がカストロの全てとは思わないけど、なかなかおもしろい。30年間カストロに就いている通訳の女性も印象的。

自称、「自分自身の独裁者であり、国民の奴隷」と言っている、カストロ。
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