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地下鉄(メトロ)に乗ってのkieのレビュー・感想・評価

地下鉄(メトロ)に乗って(2006年製作の映画)
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ぐっときましたよ。現代に行きる堤真一が地下鉄に乗ると昭和39年にタイムスリップし、小さい頃の自分や、大嫌いな父親、今の不倫相手を身ごもっている母が、その当時どう思って生きていたかを間近に感じることで、自分自身を見つめなおす、そんなストーリー。時代を行き来してのストーリ展開。戦後の生きることに全力を注いだ時代と、生きることへのエネルギーがあまり見られない現代とのギャップを感じながら、過去と未来をつなぐ人とのやりとり、それに何にも増して愛の形というのはどの時代でも変わらないなっていうのが痛烈に分かる作品。あまり話すとネタバレになっちゃうけど、堤真一の母親のずっと持っているであろう深い後悔と、不倫相手を演じる岡本綾の気丈な切ない選択が、ずっと残るんです。話としてさしてクローズアップしない分、余計に残るんです。脇役あっての作品です、これ。
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