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ヤンヤン 夏の想い出のピポサルのレビュー・感想・評価

ヤンヤン 夏の想い出(2000年製作の映画)
4.8
個人的な経験と重なって...やられた。あるホワイトカラーの中産階級の家族を肯定も否定もせずただ見守っている。ヤンヤンが主役かと思いきやそんなことはなく、家族それぞれが置かれた環境で誠実さや世界の情理と向き合っている。父はそれが核心だと気づき人生をやり直すなんて必要のないことで、淡々と生きていくことがかけがえのないことだと悟る。母はそれを見失い変わらない毎日を嘆き自虐し山に籠ったが、結局日常生活なんて変わり映えのないものなんだとわかりまた日常を送り始める。娘はそれに疑念を抱き、心の拠り所を失ってしまう。そしてヤンヤンはそれがなんたるかを掴みかけている。
穏やかで、でもこの世の中で生きていくことにそっと背中を押してくれるような映画。年始から人生のフェイバリットムービーとなるようなものを観てしまった。いやーこりゃいい1年になりそうだ。
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