約3時間の長い映画。
特定の主人公を設定せず、明確なストーリーは組まずに、
現代台湾の都市における一家族(ヤンヤンという名の少年の家族)
の家庭生活、社会生活を、
主人公を切り替えつつ流し見せていくという手法です。
登場人物を役柄の比重の大きい順に並べると以下のような感じでしょうか。
タイトルにあるヤンヤンの比重は決して大きくありません。
(1)ヤンヤンの父親のNJ
(2)ヤンヤンの姉のティンティン
(3)ヤンヤンの祖母
(4)ヤンヤンの叔父
(5)ヤンヤン
ヤンヤンの父親と元恋人との関係、
ヤンヤンの叔父(できちゃった婚で新婚)と
本来結婚するはずだった?仕事のパートナー兼元恋人との関係、
ヤンヤンの姉とその友人の恋人との関係
といった微妙な立ち位置での男女関係を多層的に扱っているのが面白いです。
祖母が体調を崩し、昏睡状態に陥るのですが、
その回復のために、
家族が毎日順番で祖母に対して話しかけるという設定を持ち込み、
家族各々の心情を吐露させるという仕掛けをつくったのも面白いですし、
生死の問題まで絡めたことで作品に深みが出ていると思います。
日本人がプロデュースしていることもあって、
作風が日本的ホームドラマ的感性が混じっている気がします。
エンターテインメントとしては間延びした感じがあるので、
肩の力を抜いて、「ながら見」するといいかもしれません。
そういう意味では映画よりテレビ向きかも。
ヤンヤンの父親役はなかなか渋くていいです。