ひろりこ

太陽の帝国のひろりこのレビュー・感想・評価

太陽の帝国(1987年製作の映画)
4.2
鑑賞記録&感想
★監督:スティーブン・スピルバーグ
★原作はイギリスの小説家J・G・バラードの体験を綴った半自伝的な長編小説。
★クリスチャン・ベイルのデビュー作。

少年は一人、戦争の中で何を見たのか…

――𝐒𝐭𝐨𝐫𝐲――
1941年、第二次世界大戦下。上海に暮らすイギリス人の少年ジム(クリスチャン・ベイル)は、日本軍の“零戦”に憧れる無邪気な少年だった。だがその日本軍が上海に侵攻、攻撃は全土に及んだ。混乱に巻き込まれ、両親と離れ離れになってしまったジムを救ったのはアメリカ人のベイシー(ジョン・マルコビッチ)。しかし、日本軍に捕われ、ふたりとも収容所へと送られる。そこでの過酷な生活は精神的にも肉体的にもジムを成長させていくが…。

兎にも角にも日本の零戦に憧れる純朴なイギリス人の少年ジムを演じる13歳の若きクリスチャン・ベイルの天才的な素晴らしい演技に尽きます。
オーディション参加者約4000人の中から見事この役を勝ち取ったというから凄い!
また中国人のエキストラも総勢約5000人!
そして名優ジョン・マルコビッチやベン・スティラー、日本人俳優では日本軍の上官役に伊武雅刀さん、日本兵役にボクシング元WBC世界ライト級王者のガッツ石松さん、笑点の座布団運びの山田くんこと山田隆夫さんなど、キャスト的にも面白い。

私事ですが、1989年の『ブラック・レイン』にも出演しているガッツ石松(本名:鈴木 有二)さんは自分と同郷。中学生の時ですけど母校へ講演に来てくれました。講演のあとに友達2人と校長室へ会いに行き、軽い会話と固い握手をして4人で記念撮影したのは遠き良き思い出です😊

クラシカルなBGMも実にスピルバーグ監督らしいですし、監督の反戦へのメッセージが強く伝わってきます。
現在のロシアによるウクライナへの不当な侵略、暴挙は許せないし、絶対に許してはいけない。

当時、多分この作品は日本寄りの見方になっているのでアカデミー賞は取れなかったのだろう🤔

戦渦の中、生き延びることに精一杯で愛する○○の顔も思い出せなくなるなんて...
触って○○を思い出すシーンには思わずぐっときて涙が。

劇中、ジム少年と日本兵の少年との敵味方を超えた温かいふれあいが心に残ります。𓈒𓏸𓐍🛩
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