さかい

なまいきシャルロットのさかいのレビュー・感想・評価

なまいきシャルロット(1985年製作の映画)
3.5
中一病をこじらせた少女の、悩みと波乱のひと夏。
終盤ルルが倒れて場面変わったとき、まさか葬式かと思ってヒヤヒヤした

ちょっとさいきん地上波でみた思い出のマーニーを連想した。
憧れの存在でフランス人形みたいにエレガントなクララがマーニー、メガネっ子で後輩・妹分のルルがアヤカちゃん
シャルロットと杏奈は色々違うけど…孤独感でトゲトゲしてる(気づかってくれる人にも)とことか共通点もある




上映後、映画館の近所の大学の先生がきて解説トークがあった。
・原題『L'Effrontée』。邦題ではライトな感じに「なまいき」と訳されそれが日本でもウケる要因となった
でも本当はもう少し強い意味の言葉で、またクロード監督の他の作品は大体重い内容で、本作も見ようによってはそんな軽い話ではない
・クロード監督は当時まだ珍しかった「映画学校」で学んだ最初期の世代。
「物語の始まりと終わりのつながり、いわゆる円環構造」や「人物の視線が交わる場面交わってない場面の描きわけ」…など
映画作りの基本をおさえた秀逸な演出が特徴。
少し前の世代、いわゆるヌーベルバーグの映画は「俺が撮りたい映画を作る!」なスタンスで、映画の基本にはとらわれない
・監督の出自。監督はギリギリ戦争を知らない世代だけど親は苦労した
親はユダヤ系で外出時は六角の星をつけるよう強制されてたが、それを無視して弾圧を避け生き延びた(いいのかそれで)

他にもいろんな話があった。『勾留』『なまいき』以外も観ておけばよかった
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