さかい

君たちはどう生きるかのさかいのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

冒頭で戦時中が舞台ということがわかったとき、
「これはもしや、監督は最後にエンタメや興行を度外視で火垂るの墓的な作品を残したかったのではないか。だとしたら『タイトルが説教くさそう』とか言ってられない、刮目して見届けなければ…」
とか思いつい姿勢をただしてしまったが、まったくの早合点だった。
わりといつもの感じだった。
駿監督、こんごも新作のたびに「集大成」「遺言」「最後のメッセージ」とか煽られる、イーストウッド監督コースになりそうな予感も少しした…


戦後〜現代でもできそうな話だけど戦時中にした理由はなんだろうか。
後半でてくる、ずらり並んだマルチバースの扉は「君たちはどう生きるか」という、人生の無数の選択肢や可能性をストレートにたとえたものかもしれないが、清太と節子にはそんな扉も出口もなかった。どう生きるも何も、生きることすらできなかった
戦闘機工場の坊ちゃんで疎開して空襲をまぬがれ終戦後は両親と東京にかえったマヒト君とはずいぶん違う。同じ人間なのに。

楽しい場面やわくわくする場面、監督の演出の冴えに魅了されたりゾッとした場面…なども色々あったはずだけど
ちょっと感想としてはそっちに引っ張られてしまった
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