クレイマー一家の3人の演技の巧さ。
父親のガサツさ短気さがとてもリアルでところどころ自分の父親と重なり不快に思うくらいだった。うまい。
冒頭こんな下手くそなフレンチトースト作れるひとむしろすごいよ.....だったのが終盤ではまったく違うからおもしろい。言葉で見える成長じゃなくて料理で表現する演出は有名だけどやはりいい。
育児を始めた父親は子との絆を深め、育児に勤しんでいた母親はアイデンティティを求めて家を出る。
子供への深い愛情に気づいた母親が自分の欲望だけで子供を連れ出さないと決める展開がすごくすごくすきだ。子供だって小さくともひとりの人間だと認めていてすごくいいよ。
静かで地味なお話なんだけどクレイマーさんたちの感情がとても生々しくてときには苦しかった。ビリーを想うと胸が張り裂けそうにもなる。でも家族ってほんとうにむずかしい。夫婦って所詮他人だもの。母親であり父親であり子供であり、でもみんな誰のものでもないたったひとりの人間なんだよな