のりしろ

カラー・オブ・ハートののりしろのネタバレレビュー・内容・結末

カラー・オブ・ハート(1998年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

あらすじ
オタクの兄とギャルの妹が、謎のじいさんから貰ったリモコンを操作したところ、モノクロTVドラマの世界に入り込んでしまった。
白黒の世界に生きる町の人々は、毎日をただひたすら台本通りに過ごし、そこには「愉快に楽しく」という感情しか存在していなかった。
現代から迷い込んだ2人の兄妹の影響を受けて、住人たちは次第に忘れていた心を取り戻し、白黒の世界がカラーに色づきはじめる。
しかし、カラーになった住人達を受け入れられないモノクロの住人達は、次第にカラー達を差別するようになり…


母「ダメね。40歳にもなってこれじゃあ…」
息子「こうでなきゃいけないってことなんかないよ」

多分このセリフのための映画だったんじゃないかと思います。
うつ伏せに眠る女性の絵を見て「安らかに眠っている絵」と捉えるか、それとも「泣いている絵」と捉えるか。
見る側の見方、考え方次第で、物事はいかようにも変わるのだと。それがあるから世界は色(感情)に満ち溢れ、素晴らしいのだと言われている気がします。

母を守るという勇気と信念に突き動かされて色を取り戻した主人公が、ヒトは多面的で、楽しく愉快だけな存在ではない。悪い面もたくさんあるが、それが人間なんだと力強く訴えかけるシーンも感じるところがありました。


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メモ

個を全に統合する梵我一如的思想がヒトにとって最良なのかは常に疑問に思っていましたが、これもある意味では一つの答えなのだと思います。
見た目も性格も違う個と個が時に衝突し、時に支えあって生きる。それが人間なのだと言われているような気がします。
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