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他人の顔のmajiziのレビュー・感想・評価

他人の顔(1966年製作の映画)
4.0
アイデンティティとは。

事故で顔を大火傷してしまい、精巧なプラスチックの仮面をつけることで「他人」になりすます男の物語。

そのまま他人として妻を口説いたり、行動も言動もどんどん変化していく。

原作での主人公の際どい危うさと卑屈になった感情や狂気を仲代達矢が冒頭から朗々と演じており、最高に不気味。

関わりたくない人間だけれども、こんな一面があるのはきっと?たぶん?わたしたちも同じなのかと思います。

渋谷でのロケは、隠しカメラでの撮影でジャケ写の顔面に包帯ぐるぐる姿を見る通行人たちの反応は本物だそうです。
ジロジロ見るよりみんな見ちゃいけないものを避けてる感じがよくわかります。

個人的には『砂の女』の方が好きだけど、とても個性的で面白い作品でした。

それにしても安部公房の頭の中…
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