Demoitu

フローズン・タイムのDemoituのレビュー・感想・評価

フローズン・タイム(2006年製作の映画)
3.0
考えれば考えるほどよくわからない映画(笑)don't think!! feel.


映画冒頭、何やら女性が怒っている様子がスローモーションで映し出される。パンチの効いた滑り出しだ。

美大に通うベンは初めての恋人との破局がきっかけで眠れなくなってしまう。
眠れない時間に、映画を観て、本を見て過ごしていたが眠れなくなって2週間が過ぎる頃にお金が尽きてしまい、眠れなくなった8時間を切り売りし金に変えるために深夜のスーパーマーケットでバイトを始める。

眠れなくなったベンは時間の概念がおかしくなり、ある時周囲の時間が止まっている事に気づく。彼の意思ではじめられないその凍った時間は彼の意思で終わらせて時間を進めることはできるようで、彼はその凍った時間でスーパーマーケットに来た女性客の服を脱がせひたすらデッサンを行う。

しかし、1人だけどうしても脱がせて書こうと思えない女性がいた。。。


なんだこの映画笑

時間を止められたからなんなのと言ってしまえばそれまでなのだが、時間を止めたら男はそれやるでしょうということを真っ向からやってくれる辺りは共感はできる。

そして、ベンの変態性というのか、彼が性に目覚める話やら、初めてキスをした女の子の話やら、サッカーの試合やら誕生パーティーやらあってもなくてもいい話がちょこちょこと続く。

ただでさえ時間止めて彼とスクリーンのこちら側の人間しか進まない時間が多いため、動いていない人たちの時間が少なく、彼らの心情の進みあまり焦点を当てず、あくまでベンの心の話しとして彼のナレーションと共に終始話が進んでいく。それ故にコメディ感が強めでその他の人をある種ぼかして描いているような感じ。

男子の欲望をただ形にした設定と、それで突き進む芯の強さには恐れ入りますが、30分くらいのショートムービーで十分な内容でもありますね、楽しめましたが。

ラストシーンも確かにすごくきれいだったのだけど、これ時間が止まっていようが止まっていまいが描けるシーンだなと思うと、時間を止められるというSF要素にはいよいよ欲望を満たす以外の意味がないなと思ってしまう。

それとも時間が止まって見えたのはあくまで精神的な意味合いの描写だったのかな?そうすると、かなりアーティスティックでより観ている人を置いてきぼりにしている感じが、、、いや、考え過ぎか。
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