KyoSiro

スタンダール・シンドロームのKyoSiroのレビュー・感想・評価

3.5
個人的には楽しめました
15件の殺人を犯しているレイプ殺人犯を追う女警部の話ですが、特に、主人公である女警部の心理描写が気になりました

まず、女警部で主人公のアーシア・アルジェントがレイプされた後、髪を短く切り男性化するシーンですが、これは暴行を受けた女性は、本能的に強くならねば…という生存本能が働くようです
このときは、まだ別の人格を生み出したわけではないようです

次に、拉致され暴行を受け続けた後、ブロンズのカツラをかぶり別人になりきるシーンですが、これは多重人格者が幼い頃に暴行を受け、別の人格を生み出すのと似たパターンですね
また、ダリオ・アルジェントはのちに「ドゥー・ユー・ライク・ヒッチコック?」という映画を制作するのですが、ヒッチコック映画にかなり影響を受けていると思われます
ブロンズのカツラを採用したのは、ヒッチコックの「サイコ」に影響を受けたためでしょう
暴行シーンが多いのでキツい映画かもしれませんが、暴行を受ける度に、主人公アーシアの性格が変わっていくので心理描写から見ていくと楽しめる作品だと思います


話は変わりますが、2005年にべルトラン・ボネロというフランスの映画監督が写真家シンディ・シャーマンをテーマにした15分ほどの短編映画『Cindy, the Doll is Mine』をリリースするのですが、
この短編映画ではアーシア・アルジェントが黒髪とブロンズの1人2役(写真家と人形)で出演しており、このスタンダール・シンドロームの影響を強く受けているように感じました
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