このレビューはネタバレを含みます
どんな気持ちでみていればいいのかわからなかったしどこへ届けられるのかも想像がつかない映画だった 涙して良い映画だと賛するものでもないと思った
全部が反則技でできたようなストーリーだけれど 本物に迫られている現実感というか夢や空想の削ぎ落とされたところがあって 自分は何を見せられているんだと思いながら何ひとつ間違ったものを見せられていないと気が付く、自分の中で客観的な問い直しの起こる映画だった
また兎にも角にも主演二人の演技が凄い。
とりわけ彼女のほうの女優は”芝居”の域を完全に超えている 衝撃的なシーンの多い映画だけれど私の身体を凍らせたのは彼女が普通の女の子になって主人公と触れ合う空想へ、現実からシームレスに芝居が移行していくシークエンスだった
私は主人公の男性に嫌悪感しか抱けなかったのでこれを純愛だ何だと褒めそやす気には全くなれないけれど 彼女の”ただの女の子らしさ”みたいなものに救われたのは確かで
それらの覆しがたい印象が焼きついたこともまた二人の演技力によるものだと思うし
ああ、もう 何を言ったら正直な感想になるのかもわからなくなる