【花束】
〈韓国映画400本目〉
シネは幼い息子と共に亡くなった夫の生まれ故郷の密陽市に引っ越す。そこで出会った世話人キムに頼りながら、シネはピアノ教室を開くが…。
「密陽」は中国語で「シークレット・サンシャイン」その土地の名の通り、彼女は光(神からの救い、或いは誰かの助け)を求め、何度も空を眺める。
本作はとにかくチョン・ドヨンの圧倒的演技に驚かされるばかり。宗教にのめり込んでからの突然の変わりようはまさにホラー的。そしてもう一段階…。
罪を犯した人間が救われ、被害を被った人間が苦しみ続けるという宗教の矛盾。あの犯人との面会シーンはただただ絶望でしかない。面会シーンでの小さな窓から差す太陽の光ですら憎い。
『ペパーミント・キャンディ』『オアシス』に続く傑作と言われるのは納得せざるを得ない。