すず

THE WAVE ウェイヴのすずのレビュー・感想・評価

THE WAVE ウェイヴ(2008年製作の映画)
3.8
「独裁制」の本当の恐ろしさとは…

舞台はドイツの高校のごく普通のクラス。
一週間の実習で、独裁制について学ぶ事に。
担任のベイカーは自らが総統となり、生徒たちに実際に独裁制を体験させる事にした。
・授業中はベイカー様と呼ぶ事
・発言する時は起立する事
・白シャツとジーンズを着用する事
このルールの下、彼らは「ウェイヴ」として一週間活動する事に。
初めは興味本位で参加していた生徒も次第にのめり込み、ウェイヴに一体感が生まれる。
クラス内のいじめはなくなり、それぞれが協力して足りない部分を補い合う。
しかし次第にその活動は拡大し、反発する者を排除するようになる。
実習の一週間が終わり、ベイカーはウェイヴの活動を終わらせると宣言する。
しかし生徒達の信仰心は、ベイカーの想像を遥かに超えていた。
そして事態は最悪の結末に。
独裁制の本当の恐怖は、まだ始まったばかりだった…

すごい映画を見てしまった…!
独裁って奥が深いようで、意外とそうでもないのかもしれない。
総統に対する忠誠心が独裁の肝かと思っていたけど、もっと浅い所での一体感や自尊心が独裁へと繋がっているような気がしました。
他人に認められる喜びや、たくさんの仲間に守られている安心感ですね。
一つのクラスで始まった実習が、たった一週間でかなりの規模に成長した事に驚きました。
こういう事ってどこでも起こりうる現象なんだろうな〜と思うと、少し怖いですね。
のめり込む事の恐ろしさを学びました。
すず

すず