Mariko

マーフィの戦いのMarikoのレビュー・感想・評価

マーフィの戦い(1971年製作の映画)
4.0
これは戦争映画の迫力あるアクションや緊迫した潜水艦ものを期待して観るものではなくて、狂気に駆られた男とその男が操縦する哨戒機が南米のジャングルの上を飛ぶ姿を愛でるもので、その表情(というより瞳)に狂気を潜ませる人間を演じさせたら右に出る者なしのピーター・オトゥールあっての作品。

パイロットですらない男(整備兵?)が、愚かとしか言いようのない復讐に燃える一心で独軍Uボートを沈めようと飛ばすのがグラマンの水陸両用機で、この初離陸だけでも観る価値ありなのに、このオリノコ川上空でのブルーの複葉機の機体の見映えが素晴らしすぎるのでこの時点で5億点。

優しさで協力する男にフィリップ・ノワレなのもどハマりで、最後には呆れて彼を見捨てる後ろ姿、そしてその後の無常感漂うラストも良い。

まあ私は熱中したけど、ピーター・オトゥール好き、軍用機好き(各加点あり)イギリス好きじゃなかったら途中離脱してもおかしくないテンポではあった。
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