辛亥革命後、混乱期の中国南部を舞台にした西部劇風コメディ作品。
どこか七人の侍を彷彿とさせるような、山賊VS悪徳商人に詐欺師が絡むストーリー。
監督のチアン・ウェンが山賊の頭領役、悪役にはチョウ・ユンファ、詐欺師にグォ・ヨウ。とにかく大御所たちが豪華!
三人の会話の演技合戦がめちゃくちゃ面白く、脇役も一癖も二癖もありストーリー展開も早い。
序盤、食べた麺が一杯か二杯かを言い争う場面は、中国人の「面子が命」の心理を逆手を取って、仕掛けられた罠に気がつかず六弟がとる行動は何故か日本的。
ここで追い詰めるチェン・クンの演技がヤバかった。
ちなみに音楽は久石譲。
三弟は「薄氷の殺人」や「鵞鳥湖の夜」で刑事役をしていたリャオ・ファンで、やっぱりこの人、存在感があるって思った。
背景として、腐敗した官僚や拝金主義、強い方を見極めて態度を変える民衆など、チアン・ウェン特有の強烈な風刺が入っており、暗喩として現状の中共への批判もあるようです。
とはいえ、検閲を合格しているため中国人でもきっと全部はわからないし、そこまで深読みせずとも、単純に楽しめるエンタメ作品だと思いました。
それにしてもチアン・ウェンはかっこいい。フェロモンが出すぎー!
邦題はなんか違う気がする🙄