モモモ

ソナチネのモモモのレビュー・感想・評価

ソナチネ(1993年製作の映画)
4.2
レビュー修正(3.9→4.2)2023/8/15池袋
久し振りの劇場鑑賞。再度のフィルム上映。
情緒的な間、沈黙、ロングショット、唐突な暴力、軽妙な会話劇。
不謹慎な笑いとヤクザ物としてのヒリヒリとした空気を反復横跳びし続ける独自性は色褪せない。
曖昧な態度と曖昧な指令で曖昧な立場のまま沖縄に送られた男達が静かな猛攻撃を受けるのも曖昧な立場なので何も出来ない一幕目。
曖昧なんだから何も出来ねえな…暇だし遊ぼっか…な大人の夏休みな二幕目。
使い捨てにされた立場を理解し、再度の襲撃を受け、行動に出たが又一人…と仲間が死んでいき…な三幕目。
情緒的な間が多く多くを語らない映画ではあるのだが、メッセージや主人公の動機は台詞は明快に説明してくれている。
なんかヤクザ(自分の仕事)が嫌になってきちゃっただけで、死ぬのを怖がりすぎちゃうと死にたくなっちゃうだけなのだ。
常に漠然とした「死にたい」と言う諦めと疲れが作品を包み続ける。
嫌になっちゃうなぁ…が立て続けに起きた結果、本当にこの世界に嫌気がさしてしまった男の物語。
大人の男が黙々と遊び続ける姿がどこまでも魅力的で、名シーンとして記憶され続けるエレベーターでの「おい、高橋」で息を飲む。
「悪い奴ばっかじゃねーか、甲子園行ったとかいねーのかよ」が顕著な、下っ端二人の駄弁りがブロマンスの領域だ。
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