回想シーンでご飯3杯いける

麗しのサブリナの回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

麗しのサブリナ(1954年製作の映画)
3.2
昨年の正月に観た「或る夜の出来事」がことのほか良かったので、2024年の正月もロマコメの古典と言われている本作をチョイス。

「或る夜の~」から約20年後の作品だけど、こっちもオードリー・ヘプバーン演じる主人公の自由な振る舞いが眩しい。大富豪の運転手を務める父を持つ主人公が、一族の次男に片思い。その後、パリへの留学を経て、お洒落に変身した彼女を取り巻く環境が一変するというシンデレラストーリー。戦後間もない時代のはずなのに、この時代のアメリカ映画に於ける女性は、概ね主体的で自由な存在として描かれる。もしくは、大衆が映画に求める夢が、本作で描かれるような物語だったのかも。

サブリナパンツもサブリナカットも、この映画がきっかけになって生まれた言葉というのも凄い。その影響力たるや!

しかし、どうしても気になるのが、相手役の男性2人との年齢差だ。特に兄の方は50歳ぐらいの設定と思われ、いくらなんでも不自然。調べてみると、初期オードリー・ヘプバーンが出演する映画では多用されていた設定で、この辺は当時の業界の裏事情が色々ありそう。