symax

悪魔の沼のsymaxのレビュー・感想・評価

悪魔の沼(1976年製作の映画)
3.1
"見ました?…ウチのはね、ただのワニじゃない、クロコダイルだ…ワニは陸に上がると速く走れない…だが、クロコダイルは馬より速いんで…クロコダイルってやつぁ、何だって喰っちまう…"

売春宿を追い出されたクララが辿り着いたのは、"スターライトホテル"…小洒落た名前とは裏腹にそこは古く薄汚いモーテル…宿の主人ジャッドがモーテルの沼に飼っているワニについて自慢気に話していると…そうジャッドは気づいてしまう…クララが売春婦だと…"やらせろや"…

"悪魔のいけにえ"の大成功によって、ハリウッドに進出を果たした奇才トビー・フーパーの監督第二作目。

低予算ながらも今や伝説となった"悪魔のいけにえ"の異様な迫力には劣るものの、レザーフェイスのように素顔を隠さなくとも、"こいつ、ぜったいヤバいやろ"感ありありのネヴィル・ブランドを主役に、殺す側の目線に立った狂った爺さんの大暴走ホラーは一見の価値はあります。

テキサス、カントリーミュージック、そしてワニ…素敵なアンサンブルが悲鳴と共に画面に踊ります。

一作目に比べ格段に予算が増えたはずなのに、どこに使ってるの?というくらいチープなセット、ハリボテワニ…それを誤魔化すかのような赤い照明はある種の淫靡さ感じさせているような…

若きロバート"フレディ"イングランドの姿を見れるのは貴重です。

主役のジャッドの狂い具合が絶好調なのは当然ですが、犠牲者ファミリーのお父ちゃんの狂い具合もイカしてます…こういうところが、実にトビー・フーパーらしいなぁと思うのです。
symax

symax