EugeneHashimoto

我等の生涯の最良の年のEugeneHashimotoのネタバレレビュー・内容・結末

我等の生涯の最良の年(1946年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

アメリカの戦後というとアイゼンスタットの《勝利のキス》みたいにさぞや明るく弾けていたのだろうと敗戦国の人間は思ってしまうけど、実際のところいろいろな戦争観が蠢いていて復員兵にも複雑な思いや戸惑いがあったらしいことがわかる。男らしさの称揚に背中を押されるようにして出征した末に抱えることになった男性の傷や弱さが主題のひとつになっているのが印象的だった。

日本人を指すのに「ジャップ」を使う父アルと「ジャパニーズ」を使う息子との会話がこの先この親子が抱えるであろう断絶を端的に予感させていてよかった。

母娘との会話の端々から、戦争中助け合ってなんとかやっていたんだなぁということが汲み取れた。母の軽口おもろい。母役のマーナ・ロイの声とても素敵。

飛行機に愛着とトラウマを抱えるフレッドが最終的に飛行機の解体事業(プレハブ住宅に再利用される)に流れ着くのは巧みな話の運びだなぁと思った。

ラストのキスは少し唐突に感じたのでもうちょっと尺割いてほしかったけど幸せならええか
EugeneHashimoto

EugeneHashimoto