小波norisuke

華氏451の小波norisukeのレビュー・感想・評価

華氏451(1966年製作の映画)
5.0
「図書館戦争」よりもハードな、図書全面禁止の情報統制社会。消防士が図書を燃やすのがおもしろい。図書禁止の理由は、反社会分子の増殖を防ぐため。(文字なしの漫画なら読んでいたから、絵ならよいのか)。

今、フランスの事件によって、言論の自由が叫ばれている。どこかの首相も、もっともらしいコメントを出している。だけど、権力にとって都合の悪い情報は特定秘密に指定できる法律を作ったり、報道機関に圧力かけたりしている人が、言論の自由を主張しても説得力がない。情報統制社会は、形を変えて、もうはじまっているのではないか。

消防車の赤と、消防士の黒い制服。逆さづりで走っているように見えるモノレールは、ホームも何もない駅に着くと、底面がぱかっと開いて、タラップが降りてくる。スタイリッシュな近未来は、やっぱり不気味。

書物人間になるとしたら、詩集や童話ぐらいしか覚えられそうにないけど、どの本にしようかしらと考えるのも愉しい。
小波norisuke

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