レオピン

いつかギラギラする日のレオピンのレビュー・感想・評価

いつかギラギラする日(1992年製作の映画)
2.8
深作作品というよりも奥山和由の作品。
いつ観ても、まったくギラギラしない。。。

脚本の丸山昇一がやりたいことは和製ハードボイルド、もっと乾いたタッチを目指していたんだろうに。
邦画全般に言えるが、どうしても抒情的、ムード的な挿話が挟まれる。そんなの入れなくてもいいのに。
荻野目慶子が風船持ってオフィス街にたたずむ絵、本当にこの作品に要るのかどうか。私を見てってなんだか後年のアニメキャラクターのような承認厨丸出しのダメキャラ。

荻野目慶子はいらない

アクション演出でも、結局はカーアクションが見せ場。70年代から何度も見ている。どれも見たことのあるシーン。片輪で走らせたり、コーンを跳ねたり、砂場で横転したりと、結局高橋レーシングのプロモーションのような絵を延々見せられる。全てが古い。思考停止。

安岡力也の靴屋とアブサンを酌み交わす所や、原田芳雄がヘロインを吸う所、多岐川由美がカミソリで脅す所などアウトロー描写も陳腐すぎて・・・

ロックって言葉をセリフで聞くのも恥ずかしいが、バンドのライブシーンは観客みんな女性、たぶんこれロックバンドじゃなくて後のビジュアル系のおっかけ、元祖バンギャの皆さん。クライマックスもこのバンドの曲とカットバックなんかして、ああ邦画の一番嫌いな演出を見せられる。(撮影所出身の監督の撮る、ディスコ、クラブ、ナイトシーンのまぁ寒いコト。こんなんたくさん見せられたなぁ)

原田芳雄にしても多岐川由美にしても、むろんショーケンも、結局役者の存在感に頼りっきりで、ちゃんとした芝居や演出などハナから必要とされていない。

こりゃ痩せ細る。90年代以降の日本映画はこういう現場を繰り返してきたんじゃないか。斬新だと思っているのはプロデューサーと取り巻きだけ。月日が経ったらはっきりこれはもう観れない。
その後、98年1月に奥山親子は松竹から追放されるが、そりゃそうなるよね。

最後はバスの中から無数の銀行の看板を見て笑いだすって所で終わるが、それから5年後に金融ショックが襲い日本中の街から銀行の看板は軒並み消えましたとさ。そういう意味でも終わっていた作品である。

ダメだけではなくいい所もちょっとだけ、
OPの銀行襲撃シーンだけはよかった。マニキュア塗って指紋消すとか白マスクしてってああいうの、
終盤20分のカーチェイスは見る所はないが、その後パトカー隊に包囲される所、監督のアイデアで路面に水を撒き台数以上に見せたとか、あれは中々いい映像だった。あとショーケンの食べるペッパーライスはやたら旨そうだった。


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