Narmy

チェンジリングのNarmyのレビュー・感想・評価

チェンジリング(2008年製作の映画)
4.0
1928年3月、ロサンゼルス、美しい母クリスティンと9歳の息子ウォルターは、母1人子1人だけど逞しく幸せに暮らしていた。
ある日、せっかくの休日に急遽仕事に行かなければならなくなったクリスティンは映画を観る約束をしていたウォルターを宥め、留守番をたのむ。
夕方5時過ぎ、クリスティンは仕事を終え急いで家に帰るが、ウォルターの姿は家のどこにもなかった、、これは、真実の物語、、ということに本当に驚愕((((;゚д゚)))

ロサンゼルス市警の汚職や腐敗は、いろんな作品で何度も観るくらいだから長い年月蔓延っていたのだろうけど、今作はその歴史の中でも最後の最後の最後の最後まで腐りきっている警察官の心根に怒りを通り越して軽蔑しかない。
作中では昔は天使の街だと、そんな時代があったことが考えられないくらいの堕落ぶり。
普通に捜査するほうが楽だと思うんだけど、、、事実を隠すための横暴ぶりはもうみていられないほど。

全体としては、クリスティンの母親としての哀しみ、忍耐、憤り、やるせなさ、不運にも次々と襲う耐え難い出来事に抗い、たたかい続ける姿がえがかれる。
そこには1度も後戻りする姿はない。
大きな瞳が見開かれ、紅い唇が歪む度に凛とした姿勢はより真っ直ぐになっていく。
そして間違いなく自分が育てた息子の振る舞いを伝え聞いたとき、そのことに誇りを持ち、希望をいだいたのだろう。
息子を捜す過程で結果として多くの人を救うことになるクリスティン。
だけど、クリスティン自身は救われたのだろうか、、ラストの出来事はクリスティンにとってはよかったのか、悪かったのか、、なんとも言えない、、

(一つ気になるのは、食事の途中戻ってこなかった男の人は誰?お父さん?)
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