わたP

第9地区のわたPのレビュー・感想・評価

第9地区(2009年製作の映画)
4.5
まさかエビ側にカタルシスを感じるとは思わなかった。
登場する人間たちはどれもクソみたいなやつばかりで、主人公のヴィカスは皮肉にも感染し、エビのクリストファーと交流するところから人間らしさを取り戻していく。途中「クリス!」なんて呼んじゃったりして。彼が武器の実験に使われるシーンで右でも試せよなあなんて思ってたら、その「まだ人間」な方で最も残虐な実験をさせれるなんて。

うまいのはインタビュー部分の入れかた。序盤はエイリアンの存在やその地域のリアリティを述べる為にテンポよく語られるが、ヴィカスの感染発覚以降は、客観性をもたらしている。

移民問題や人権問題を孕んでいるけれど、終盤の戦闘シーンはただただカッコいいし、(あのロボットがギャングの弾受け止めるところなんか最高)小難しく考える映画ではなくて、楽しんで観ることが出来た。少々グロテスクだけど
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