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Jazz seen/カメラが聴いたジャズのbennoのレビュー・感想・評価

3.8
1950〜60年代のジャズレコードのジャケット写真で有名な写真家ウィリアム・クラクストンのドキュメンタリー…。

ミュージシャンの当時の映像と写真を交え、彼を取り巻く人物のインタビューで綴られます。

バックに流れるJazzもカッコ良く、冒頭のチェット・ベイカーで惹き付けます。スポーツマン的でもあり、歯が1本なくジャンキーのようにも見え…しかしなかなかのイケメンでフォトジェニック…。

クラクストンは彼のことをカメラの前では本能的に知っている…抜け目のない男だ…と言います。

クラクストンのスタイルは被写体をよく観察します。著名人からホームレスまで、個人を尊重し先入観なしにその人の美しさを引き出して写真に記録していくのです。

ミュージシャンを写す一方、ファッションフォトグラファーとしての一面も…ツィギーが台頭する頃、モデルのペギー・モフィットと結婚…2人のコラボレーションによる写真も一世風靡します。そして映画スター、マレーネ・ディートリッヒやスティーブ・マックィーンなどのポートレートも手掛けることに…。そのマックィーンから大きな影響を受けたと語ります。

ジョン・フランケンハイマーやバート・バカラックなどのミュージシャンやジャズ愛好家のデニス・ホッパー、ファッション界からはヴィダル・サスーンなどのインタビューもとても興味深いです。

中でも写真家ヘルムート・ニュートンとの対談は必見!友人同士であり、互いに「羨ましい」と言い合います。全くタイプの違う写真家…ヘルムートは「被写体(モデル)に共感しない…情が移ると集中を失う」と言い、クラクストンは「(被写体と)心の交流を持ちたい、信頼が必要だ」と言います。

それは彼らの作品を見れば一目瞭然…ヘルムートの作品はどこか人工的で冷たく無機質…。クラクストンの作品は人間味が感じられとても温かい…。

そして彼の作品はフレームに収まる構図が絶妙!これは学んで出来るものではなく天賦の才と周りは言います。

またひとり素敵な写真家に出会えてhappyです♡


thanks to ; leylaさ〜ん✩°̥࿐୨୧
thanks to ; のんchanさ〜ん✩°̥࿐୨୧
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