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トラック野郎 一番星北へ帰るのbluetokyoのレビュー・感想・評価

2.9
もともとトラック野郎シリーズは、ストーリーがバラバラなのだが、それを、祭りなどの本物の映像や、地方の美しい景観などで、包み込むようにして一つにしているところがある。また、バラバラなので、むしろゲスト出演者の魅力を引き出したり、逆に、マドンナにそれほどの演技力を求めない、といった効果もあったりするわけだ。
ただ、やはり話を統一するという目的意識があって初めて成り立つわけで、それがないと、たんにバラバラなだけで終わってしまう。
この作品は、まさにバラバラなだけになってしまった。

簡単にあらすじ。
冒頭から、Big99という大型トラックに乗る九十九との対決。九十九はアメリカ仕込みのコスパ、タイパ重視の運転手。
花巻の鬼台貫、ジョナサンを継いだ警官、赤沢重吉の登場。

ドライブイン、みちのく。知り合いのトラック運転手、石川孫六は借金を抱えていたので、ジョナサンが軽い気持ちで保証人を引き受けてしまう。

体調を崩した桃次郎。これは、早く、嫁さんを貰った方がいいとなり、ジョナサン一家で、お見合いをセッティング。常磐ハワイアンセンター。
ところが、桃次郎は、お見合い相手よりも、付き添いに来た北見静代に一目ぼれ。

案の定というか、石川孫六が失踪してしまい、借金の返済がジョナサンに降り掛かってしまう。

孫六が自殺しようとしていたとき、孫六の娘の恋人、馬場作太郎が助ける。借金も、馬場作太郎の馬が輓馬レースで優勝したのでチャラになる。

一方、桃次郎は、静代とあるダム湖に来ていた。桃次郎の故郷は、ダム湖の底に沈んだのだった。桃次郎一家は、下北半島に移住したが、父親は、慣れない漁師仕事で遭難して亡くなった。母親が一人で頑張って育ててくれた。

静江は、桃次郎の話を聞いて、会津の義理の実家に行って、赤べこの生産を継ぐ決心をしたということだった。

桃次郎がドライブイン、みちのくにいると、急患がいて、透析装置を届けないと危ないという情報。桃次郎は、透析装置の輸送を引き受ける。

花巻の鬼台貫、赤沢重吉が、執拗に捕まえようと、追跡してくる。実は、急病の患者というのは、赤沢の妻なのだ。それでも、赤沢は、追跡を止めない。

病院に桃次郎は到着し、透析装置を届け終わったあと、赤沢は、桃次郎に手錠を掛けた。そのとき、赤沢は桃次郎に、ありがとう、と言うのだった。

最後の方に、シリアスな泣ける話を持ってくるというのも、まあ、いいのだが、帳尻合わせのお約束的なマンネリでもある。
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