OASIS

L.A.大捜査線/狼たちの街のOASISのレビュー・感想・評価

L.A.大捜査線/狼たちの街(1985年製作の映画)
3.8
紙幣偽造の犯人に相棒を殺された刑事が復讐をする話。

主役のウィリアム・ピーターセンよりも、犯人役のウィレム・デフォーの印象が強烈な映画だった。
80年代のドライな街並みを舞台に、相棒の為なら汚職でもなんでもござれの刑事がこれまたドライな捜査を繰り返す。
一人で暴走する彼は誰の忠告も受けずに突っ走るが、その結末は予想外だった。
単純な話でありながらも、爽快な復讐劇として終わらせない所も良し。
劇中の主人公はとにかく感情移入が出来にくい程荒れ狂っているので、因果応報と思えばむしろそちらの方が気持ち良く思えてしまう。
しかしそれも含めて、スラムのように荒れ果てた街や高速を逆走するカーチェイスや、徹底してドライな人間関係を描くというウィリアム・フリードキン印はしっかり前面に押し出されている。

やけに男体をねっとり写し出したり、銃撃を受けた頭がとんでもない状態になったりあちこちにバイオレンスの匂いがあり、それがまた荒んだ街の風景に同化して時代を感じる映画であると思いました。
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