このレビューはネタバレを含みます
ラストがクリスマスの日で、教会に集まった人々が聖歌を歌い始める。同じとき、子供を抱いたチャールズ・ビックフォードが、ようやく辿りついた街を、足をひきずるようにして歩いていく。――というこのシーン。よろけながら歩くチャールズ・ビックフォードを(祝日なので閉店中の)銀行の中からとらえたショットが良い。しかも、バックで聖歌が流れている。音楽によるクロスカッティングというのか、この手の(現代の映画ではよく見かける)手法を、1929年に、トーキー第1作なのにもう効果的に使っているというのはすごいと思う。
自殺のシーンも忘れられない。