前作の死闘から2年後を描く、2004年公開のサム・ライミ版スパイダーマンの2作目。"2"からスパイダーマンを初めて見る人にも"1"の出来事を振り返るオープニングクレジットに、ピザアルバイトの短時間の冒頭シーンからピーターがどのような人物か分かりる親切設計。なにより驚くのは映像が一段とレベルアップしていることですね。前作は見劣りしましたが、今作は気になるところがほとんどない。
MJは夢であった舞台女優という夢を叶え婚約者を持ち、ハリーはオズコープの社長となりスパイダーマンへの復讐に燃える。一方のピーターはヒーローとして、人々を救わなくてはという使命感と、犯罪を逃したらまた大切な人をなくすのではないかという呪いにより、学業や恋愛など"私生活"が上手くいってない。MJに近づきたいが近づけない。MJを危険に晒してしまうのではないかと正体を明かせず、MJを失望させたくないとヒーローを辞めるまでに至る。自分が人を救わなくてもいいのかも、そもそも偶然生まれたスパイダーマンなんてこの世にいる必要あるのか?事あるごとにデイリービューグルの紙面が映し出されるのが印象的です。日常と非日常の狭間で苦悩するピーターが微笑ましくて健気で、親しみを感じる。
火災のアパートから少女を救い出すシーンは、1作目の火災シーンに引っ張られて忘れられがち(とうに忘れてた)ですが、名シーンの一つであると思います。マスクを被らなくても、能力を使わなくともヒーローとなり得る。ピーターに助けられた少女もまたピーターを助ける感動的なシーンでした。もちろん乗客たちがスパイダーマンを庇う列車のシーンも名シーン。命を救ってくれるピーターを見て乗客たちにも助け合い精神が生まれていた。スパイダーマンへの批判が蔓延る中でも称える。「まだ子供じゃないか。」まさに"親愛なる隣人"を形作るシーンでした。
正義のためには夢を諦めなくてはならない、と言いつつも結局はMJと結ばれるのはご愛嬌。まさか今作にもドクター・ストレンジの名前が出てくるなんて。
