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愛の渇きのbrianのレビュー・感想・評価

愛の渇き(1967年製作の映画)
4.0
美しき未亡人が本当の愛に近づいていく姿を描いた女性ドラマ。

息詰まる展開に最後まで画面に釘付けとなった。
チェンバロを中心としたクラシカルで重厚な音楽が流れる中を俯瞰ショット、ズームアップ、ロングショット、スローモーション、ストップモーション、字幕で登場人物の心理描写を巧みに表現しながら映像に深みを与える。
白色を基調にしたモノクロの美しさから赤色のカラーに変わる衝撃的な演出に狂気を感じさせた。

浅丘ルリ子はそれまでの青春・アクション路線で純情かつ明朗な女性から一転して肉体的にも精神的にも成熟した大人の女性を熱演。誰にもわからない心の葛藤に息を飲む。
石立鉄男は若々しい演技と舞台で培った張りのある高い声が印象的。
脚本に蔵原監督と藤田敏八が参加。良い映画には良いシナリオが出来上がる証である。



「愛の渇き」予告編
https://youtu.be/_erDeoFRISY
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