トイ・ストーリー3作目。
3作目にして、最高傑作であります。
凄い!
大学生となったアンディ。
ばっちり男前に育っております。
一人暮らしを始めるにあたり、引っ越し荷物の仕分けをするアンディ。
愛情深いオモチャ達を「捨てる」「持っていく」「屋根裏に保管する」の三択で仕分けなければならない。
ここで個人的に印象深かったのは、ウッディとバズの関係性。
案の定捨てられるだの何だのと大騒ぎするオモチャメンバーを「大丈夫だ!」と諭すウッディ。
諭し終えた後、バズにだけは「俺だってどうなるかわからないさ」と弱音を溢すウッディ。
1ではいがみ合いつつも最後には和解。
2では軽口叩きつつも良き相棒に。
3では苦楽を共にして心底信頼し合う親友に。
いやー、熱いです。
大人な友情ですね。
昔からオモチャを大切にしていた優しいアンディ。
ウッディを大学へ持って行き、他のオモチャを屋根裏へ保管することを選択するが、手違いで全員保育園へ寄付される事に。
この辺のなんやかんやは省きます!
アンディグッズとは別に、妹のモリーに捨てられていたバービー。
本作大活躍する彼女ですが、保育園への道中で見ていられない程号泣(笑)
いや、笑っちゃダメなんですけど、あまりにも人間臭い泣きっぷりで…。
それから、捨てられる直前にゴミを収集に来た若者。ドクロのTシャツを来ております。
ドクロのTシャツ。成る程ねー(ニヤニヤ)。
で、保育園についた一行。
ピンクの熊でイチゴの匂いのするロッツォもいい奴そうで、一見いい所そうな保育園。
先程ノイローゼのOLのような大号泣を見せていたバービーだが、ケンと運命の出会いを果たす。
よかったねバービー(笑)
バービー大活躍の本作、塩ビで出来ているのかな?布製のウッディとは明らかに動き方が違うのがわかる。
この辺の拘りは流石。
だが、そこは天国のチョウチョ組と地獄のイモムシ組に別れ、新入りはロッツォに気に入られない限りイモムシ組を出られないという地獄の保育園であった!
そんな事とは知らず、アンディの元へ帰るウッディと、保育園へ残る他のオモチャメンバー。
ここもよかったなー。
バズは当然ついてくると思っていたウッディだったが、バズは残るという。
最後に男らしく握手をして別れようとするバズと、応じないウッディ。
バズさんかっこいいよ…。
そして、唯一ついてこようとする愛馬ブルズアイ。
なんて健気な…。こんな可愛い馬いますかね…。
「お前一人屋根裏に置いておけない」と帰らせる優しいウッディ。
その後色んなオモチャが出てくる訳ですが、本作初登場で好きだったのはケンとバービーのカップル。
いや、バービーは初登場ではないんですが、準主役級の働きを見せます。
賭けルーレットに興じるケン。
女の子のオモチャと言われると怒るケン。
服が大好きなのに服好きがいなくて不満げなケン。
バービーに責められたがるケン(笑)
チョウチョ組で優雅な生活を送っていたのに、仲間のピンチを見るや反撃する正義感の強いバービー。
ケンをしゃもじに縛りつけ、一枚ずつ服を破る拷問を敢行するバービー(笑)
権利について学者のような高説を披露するバービー(笑)
素晴らしいカップルです。
後に保育園の新リーダーとなります。
こいつらなら大丈夫でしょう。
ロッツォの悪事を知り、脱出を図る一堂。
このメンバー、脱出に慣れすぎていて笑っちゃう(笑)
驚異の働きを見せたのはミスターポテトヘッド。
トルティーヤに目鼻を張り付ければトルティーヤを、キュウリに張り付けばキュウリを動かせるミスターポテトヘッド。
特に、トルティーヤは気持ち悪過ぎて(笑)
モンスターかよ(笑)
脱出のクライマックス。
ここで最高に心憎い演出。
なんやかんやゴミ処理場で燃やされそうになる一堂。
そこで、クレーンを操りみんなを救出するリトルグリーンメン!
命の恩人、感謝永遠に。
なんておしゃれなんだ…。
そしてラストシーン。
ニューシネマパラダイス、ショーシャンクの空に、カッコーの巣の上で…。
私のバイブルとも言える映画のラストシーンに比肩するラストでありました。
無事帰宅し、ウッディは大学の段ボール、他メンバーは屋根裏の段ボールへ。
ここで、バズとウッディの握手があるんですけど、ここも熱い!
保育園ではウッディが握手を拒否していますからね。
段ボールの中から、ウッディはアンディと母親のやり取りを目撃する。
引っ越し準備が終わり広くなった部屋を見て、アンディの母親は泣いてしまう。
これは青天の霹靂。
捨てられるという運命は、オモチャには避けようのない運命で、最大の悲劇であるように捉えていた。
が、そうか、子供もいつかいなくなるもんね。
この映画のテーマである「捨てられるオモチャ」に隠れていた、「子離れ」、いや、もっと大きな「成長の為の別れ」という巨大なテーマを突き付けられる。
そして、ウッディはメモを書き残す。
保育園拉致中に知り合った人見知りの女の子へオモチャを寄付するようにと。
このウッディの気付きだとか、メモの内容を一々解説しないのが素晴らしい。
一人暮らしを始める息子の、広くなった部屋を見て嬉しさと寂しさが押し寄せる感覚。
役目を終えた誇らしさと寂しさ。
こういう話って子供にはわからないんだろうけど、ピクサーはウッディに解説させたりしない。
親が教えてあげればよいのだ。
人見知り少女ボニーの所へ、アンディはオモチャを持ってゆく。
一人遊びが大好きで、オモチャ達には演技力を絶賛されているものの、人は苦手でアンディからも隠れてしまう。
そこで、一つ一つオモチャを解説しながら渡してあげるアンディ。
もう泣くわ!
成長したアンディに、もう愛されていないのではないのかと心配していたオモチャ達。
どれ程嬉しく、誇らしかったことか。
そして、ウッディ。
一番凄い所は「決して友達を見捨てない所だ」という。
アンディ(泣)
いや、多分アニメの設定の事なんですよ。3作に渡るウッディの活躍を、アンディは知らないはずですので。
けど、なんか、知ってるというか、伝わっている気がするんですよね。アンディには。
そして、最後にアンディとボニーがオモチャで遊ぶシーン。
人見知りのボニーが、楽しそうにアンディと遊ぶのである。
成長の為には出会いと別れの双方が必要で、ボニーは出会いによって、アンディは別れによって成長するのだ。
そして、オモチャ達。
別れの前に、アンディに思いっきり遊んで貰った訳です。
よかったね!
いや、子供に伝えるべき学びの6割くらいはトイ・ストーリーで簡潔している気がする。
4があるらしいけど、大丈夫だろうか。
そう思わせる程に、美しい完結でした。