ゆうゆ

眠り姫のゆうゆのレビュー・感想・評価

眠り姫(2007年製作の映画)
4.3

人の姿はほとんど映らず人の孤独が見えてくる
空っぽの風景にさざめく 濃密な人の気配と声
現実と夢うつつを彷徨う朧気な世界、
とりとめのない微睡みのなか
逃れられない死の影に覆われ
静かに狂気を孕んでいく男女の日常

その曖昧な境界線には
胎内から羊膜越しに覗くような
淡く生ぬるく残酷な線引きがあって
音と会話で表現された混沌とした世界観に
羅列した情景が付随されているような
独特の浮遊感がありました

同時上映された『DUBHOUSE』の
闇に支配されてるようなアートフィルムから
続く序盤の つんざくような叫び、
その強烈なインパクトと不穏な独白。
まるで耳元で囁かれ いざなわれてるような
つぐみと西島氏の艶やかな声には
夢見心地な気怠さと 夢見の悪さを
同時に味わってるかのような
不思議な引力がありました


タイトルも独特の音響も詩的な映像も
そして声も。すべてが魅惑的で異質で
どこかノスタルジック

いつか暗闇上映も体感してみたい


2022-124-32
ゆうゆ

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