人の姿はほとんど映らず人の孤独が見えてくる
空っぽの風景にさざめく 濃密な人の気配と声
現実と夢うつつを彷徨う朧気な世界、
とりとめのない微睡みのなか
逃れられない死の影に覆われ
静かに狂気を孕んでいく男女の日常
その曖昧な境界線には
胎内から羊膜越しに覗くような
淡く生ぬるく残酷な線引きがあって
音と会話で表現された混沌とした世界観に
羅列した情景が付随されているような
独特の浮遊感がありました
同時上映された『DUBHOUSE』の
闇に支配されてるようなアートフィルムから
続く序盤の つんざくような叫び、
その強烈なインパクトと不穏な独白。
まるで耳元で囁かれ いざなわれてるような
つぐみと西島氏の艶やかな声には
夢見心地な気怠さと 夢見の悪さを
同時に味わってるかのような
不思議な引力がありました
タイトルも独特の音響も詩的な映像も
そして声も。すべてが魅惑的で異質で
どこかノスタルジック
いつか暗闇上映も体感してみたい
2022-124-32