やた

十二人の怒れる男のやたのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.5
皆を待たせる人、でかい音を立てて鼻をかむ人、自分の仕事の話ばかりしたい人、自分の知っている範囲でしか物事を考えられない人、よくわかってないけどなんとなくで他人の人生に影響する重大な判断をしようとする人、脈絡なく身の上話を始める人、笑える場じゃないのにくだらないジョークで茶化す人、やたらつっかかる人、時間ばかり気にする人、よく吠える割に落ち込みやすくて同情を欲しがる人、個人的な事情と絡めて事実を歪める人、12人も人間が集まると社会が出来上がる。

会話劇としても推理ものとしても痺れる面白さ!

暑い部屋で、皆が汗だくの中一人だけジャケットを着てても汗をかかなかった人が、自分の主張の穴を指摘された時にハンカチで額の汗を拭うところが粋な演出。
無言で席を立って「あなたの話を聞いてません」という意思表示をするのもクールで良かった。

「いい連中だ」「普通の人たちだよ」
「自分の言葉を人が引用したらどんなに嬉しいか」
あたりのセリフが印象に残った。

事実と真実は違うこと、人は自分の求める真実に都合良い事実を信じることを覚えておきたい。

ところで、この当時の紙コップってソフトクリームのコーンみたいに三角錐で、置くことを想定されてない形やったんやなぁ。
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