Nao

十二人の怒れる男のNaoのレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.6
父親を殺害したとされるスラム街の不良少年の裁判が行われ、評決を委ねられた12人の陪審員が一室で議論する。
11人の陪審員が有罪と主張する中で、陪審員8号だけは、無罪を主張する。
推定無罪の原則を掲げ、多勢に無勢の中、容疑少年を有罪に出来ない理由を説いていく。

今まで何回も観てるけど、何度観ても見事としか言いようのない議論が面白い。
意地っ張りでプライドだらけの頑固オヤジ達のぶつかり合いが、話を追うごとに確かになあと納得出来る部分が増えていき、理にかなった論弁に釘付けになる。
それだけ人の命の重さ、尊さを皆が受け止めている点や、受け止めていなかった人も段々と受け止めていき、心の変化が見られる点は圧巻。
予測だけの判断ほどくだらないものはない。
誰が見てるか分からない普段の素行が鍵を握っているのはちょっと恐怖でもあった。
議論を通して、事件の検証を頭の中で組立てていき、ラストに文句無しになった瞬間の満足感は他の作品ではなかなか得られないものがあった。
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