麻菜

十二人の怒れる男の麻菜のレビュー・感想・評価

十二人の怒れる男(1957年製作の映画)
4.4
"偏見は真実を曇らせる"
シドニールメットが放つ法廷サスペンスの代表作で、TV時代の映画演出の在り方を打ち立てた、米国の良心を具現化したような傑作
父親を殺害したとされるスラム街の不良少年の裁判が行われ、評決は12人の陪審員に委ねられた
「疑わしきは罰せず」の推定無罪の原則
穏やかに、理性的に、論理的に
エアコンのない真夏の陪審員室
議論の先行きと共に、窓外で響く雷鳴
暗くなり室内に電気を点けると、回り始める扇風機の風
これらの心憎い演出が、物語が結末へ向かっていることを暗示する
細部に至るまで完璧と絶賛された、キャスト陣の演技も見もの
12人目が「無罪だ、無罪だよ」と泣き崩れるシーンはもう、ガッツポーズでした
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