クリストファーノーランは、80年代にイギリスで育った
「核兵器拡散の時代」
彼がオッペンハイマーという名前を初めて聞いたのは、スティングの「ラシアンズ」の歌詞だった
時が経ち完成した、映画『オッペンハイマー』
撮影中にはロシアによるウクライナ侵攻が始まり、世界が一変した
この映画は、今に続く核の世界の始まりを描いている
オッペンハイマーは、核兵器が解き放たれることで多くの負がもたらされると見抜いていた
彼が幻視した人々は、この世界に確かに存在する
あの点火ボタンはロスアラモスではなく、間違いなく広島、長崎に繋がっていた
結末も承知の上で、その道を進まなければいけなかった彼のジレンマを、スクリーンを通して経験した私たちは決して、核の脅威に絶望すべきではない
『オッペンハイマー』に対する賛否両論の度を越した、醜聞と賛辞
この映画は原爆そのものへの言及ではないので、ほとんどの醜聞はお門違いじゃないかと思ったけれど、オッペンハイマーの確かな温度を感じた分、全ての人たちに未来を見てほしかったです
長崎県被爆者手帳友の会の会長はインタビューで、「核兵器廃絶という結末のためには、誰かひとりの人間ではなく多くの国民が行動を起こさなければいけない。世界中の人間がこの映画を観ることが、核廃絶のために必要なことだ。」と話していた
ノーランはこの題材に、スクリーンに映る全ての人間の人生に誠実に向き合ったと、確信を持って言えます
間違いなく、世界にとって意義のある大作
世界は平和であるべきです
ノーランありがとう、心から愛してます